現代文の参考書

にこ投稿 2021/12/12 11:16

undefined 文系 埼玉県

一橋大学社会学部志望

私は一橋大学志望の高2です。
一橋大学に合格するためには現代文のどの参考書をどの順番でやればいいのでしょうか。教えていただきたいです。

回答

ネギタコ焼き投稿 2021/12/12 20:14

慶應義塾大学文学部

こんばんは。日々の勉強お疲れ様です。
慶應義塾大学文学部のネギたこ焼きと申します。

今回は、一橋大学の合格に向けた現代文の勉強について書かせていただきます。恥ずかしながら、ぼくも以前一橋大学社会学部を志望していました。本来ならば、実際に一橋に合格した方が回答することがベストなのでしょうが、少しでもお役に立てればと思い、今回この回答を担当させて頂きました。

 まず前提として押さえていただきたいことがあります。それは、現代文の学習には大きく分けて2つの学習段階があるということです。第1段階は、現代文の論理的な読み方・解き方や語彙などのいわば現代文の基礎知識を身につける段階です。第2段階は、その基礎知識を実際に自力で使いこなせるように演習をしていく段階です。以下では、各段階で使用するおすすめの参考書やその進め方、注意点などを説明していきます。

◎第1段階
 前述したように、第1段階では、現代文の基礎知識を身につける段階です。この段階は現代文学習の肝といってもよいほど重要なので、丁寧に学習していただきたいと思います。この段階でやるべき学習は2つです。すなわち①論理的な読み方・解き方の習得、②語彙を身につけることです。

 まず①についてですが、これが最も重要な学習です。ここでしっかりとした読み方・解き方が身につかないと、いくら演習を積んだとしても、思うような成果は期待できません。この読み方・解き方を身につけるために使う参考書としておすすめしたいのが、『出口現代文講義の実況中継』(語学春秋社、全3巻)です。
 本書の著者の出口氏は、現代文を感覚ではなく、論理を重視して読み解いていく解法に定評があり、解説が非常にわかりやすいです。本書をこなせば、評論・小説・随筆・明治擬古文・現古融合問題・マーク式問題・記述問題など大学入試問題で出題される分野と形式の論理的な読み方・解き方をひと通り身につけることができます。
 具体的なやり方としては
①巻末にある冊子の問題をいつも通り解く。
②自分自身の解き方とのズレを意識しながら、解説を熟読。
③書き込みのない問題を使い、出口氏の解答プロセスを再現する。
④以上を3周する。
というような感じです。回答者は、上記のやり方で取り組んで、現代文の論理的な読み解き方を体得しました。上記の学習プロセスの中で最も重要なステップが、③の解説の再現です。これをしっかりやるかやらないかで、成果が大きく変わってきます。自力で解説できるようになったということは、論理的な読み解き方を内在化することができたということです。もし詰まってしまった箇所があれば、もう一度解説を読み直し、再度自力で説明できるか試してください。注意点としては、この解説の再現は、必ず解説を見ずに自力でできるようになるまで繰り返すようにしてほしいということです。漫然と問題演習をするよりか、1つ1つの問題に丁寧に取り組む方が、得られる成果は大きいですので。

 次に②について。これは①の学習と並行して行って頂きたい学習です。まずなぜ語彙の学習をするかですが、それは本文がより深く理解できるようになるからです。特に東大や京大、一橋などの難関国公立大学の記述問題は、本文の内容が自分なりに理解できていないと、合格点を満たす解答をつくることができません。本文の内容をより正確かつ深く理解するためには、①で身に着ける論理的な読み方・解き方に加えて、頻出テーマの背景知識やそのテーマに関連する語彙などを知識として持っておくことが必要になります。そのために、語彙の学習の必要性が生じるのです。
 この語彙の学習には、現代文単語帳を使用します。具体的なものとしては、『読解を深める 現代文単語―評論・小説』(桐原書店)や『読み解くための現代文単語』(文英堂)などがおすすめです。いずれの単語帳も、現代文をより深く正確に読むために役立つ語彙が掲載されていて、評論のパートでは頻出テーマに関する簡単な解説や背景知識が解説されています。これは、高校生にはあまりなじみがないテーマの硬めの評論文を読み解く上で非常に重宝します。
 学習方法としては、隙間時間に目を通していくので十分です。というのも、語彙の学習にかける時間は最小限にすべきであるからです。それよりも①の学習や英語、数学に時間をかけるべきです。回答者も基本的には隙間時間に目を通す形でやっていました。また例えば、演習で科学論を扱った評論を読んだら、その復習の時に科学論に関連する語彙が載っている箇所を見返すというようなこともやっていました。

◎第2段階
 第1段階で現代文の「土台」が完成すれば、後は演習をして身につけたものを使いこなせるようにするのみです。演習をしていく上で押さえていただきことは、量より質を重視すべしということ。現代文で最も重要なことは、正しい論理に基づくプロセスを経た正確な読解をすることにあります。したがって、1つ1つの問題を丁寧にこなし、どんな問題でも論理的に読み解いていけるようにすることが大切です。

 問題演習の素材としては、解説が丁寧である問題集や過去問題集を使用することをおすすめします。その理由は、上述したように、量より質を重視すべきであるからです。質を重視するということは、1つの問題からより多くのことを体得することを意味します。したがって、解説が丁寧であることは、現代文の演習において絶対条件なのです。逆に言えば、解説がしっかりしているものであれば、どんな問題集でも構いません。
 回答者のおすすめとしては、上述した出口氏が執筆した『システム現代文』シリーズです。実況中継と同様に、論理的で丁寧な解説が施されている良書です。また、基礎レベルから難度の高い記述問題までカバーしているところもよいですね。
 質問者様は一橋志望ということでしたので、記述問題を重点的に対策したいという状況が生まれてくるかもしれません。そのような場合は、システム現代文シリーズの記述編に加えて、河合塾から出ている『得点奪取 現代文』やこれは過去問題集になってしまいますが駿台の『京大現代文 25か年』(京大入試問題詳解シリーズ)などを使用といいでしょう。

回答は以上になります。
かなりの長文になってしまい、すみませんでした。
少しでもお役に立てれば嬉しいです。
一橋合格に向けて頑張ってください。
それでは失礼いたします。

4756DF7BEDD3420CAEF66D343BD1A340
06335F029A0646CB923245BB764F3CE1
l1FZrn0BTqPwDZPu6HKT