こんにちは!
慶應義塾大学商学部の3年生です。

前回記事「【受験生必見】受験の合否を決める「脳の仕組み」とは」に引き続き、今回は受験勉強に集中するための意志力を高める方法をお伝えしたいと思います。

意志力の強さは測定できる

前回の記事で、意志力は、科学的には「休止・計画反応」という名前で呼ばれていることを述べました。これはドーパミンが衝動的に漫画を読みたくなる欲求を生むのに対して、脳の一部である前頭前皮質がその衝動を押さえつけ、「私は勉強をしなければならないんだ」と意志力を発揮する反応のことでした。

この時、前頭前皮質は体の自働的な機能(心拍、呼吸など)を落ち着かせ、体中のエネルギーを脳に送ることで、リラックスした状態を作り出します。こうして冷静に自分がやらなければならないことを思い出し、意志力を発揮します。

この「体がリラックスしている状態」は、副交感神経が活発化することで引き起こされます。副交感神経とは、自律神経系の神経枝で、ストレスを和らげ、心拍数を減少させますが、心拍数変動幅は上昇します。逆に、「体が興奮状態で、衝動的な欲求に敏感な状態」は、交感神経が活発になることによって引き起こされます。交感神経が活発になると、目先の欲求に負けやすい脳の状態になります。また、交感神経が活発になっているとき、心拍数は上昇し、心拍数変動幅は低下します。つまり、心拍数は上がったままになります。

副交感神経は心拍変動を上昇させ、交感神経は心拍変動を低下させる、つまり意志力が強い人というのは「自制心が発揮すべき時が来た時に、心拍変動が上昇する人」です。