受験生が知るべき睡眠のリズム?―メラトニンリズム―
メラトニンリズムとは、睡眠を誘発する「メラトニン」という脳内物質の増減リズムです。例えば、日の光を感じるとメラトニンが減少するので目が覚め、逆に辺りが暗くなってくるとメラトニンが分泌され始め、眠くなります。「明るいと寝られない」のは、このメラトニンリズムによるものです。
ですから、メラトニンの分泌量は普通は以下の画像のようになっています。
この法則により、オレンジ電球や間接照明をつけたまま寝ると、真っ暗の時と比べてメラトニンが分泌されにくくなり、睡眠の質が悪くなります。睡眠時は、部屋を真っ暗にし、できればアイマスクもつけると効果的です。
逆に、朝十分に光を浴びなかったり、暗い部屋のベッドの中でグダグダしていると、メラトニンが減らないため一向に目が覚めません。ですから、朝起きられないという人は、ベッドから出たらまず太陽の光を浴びてください。カーテンを開けて、部屋の電気もつけて、明るい部屋の中で朝の支度をしていれば、勝手に目が覚めてきます。
僕も、これまで朝の眠気が全然取れずに悩んでいましたが、毎朝部屋を明るくすることですぐに覚醒できるようになりました。
そもそもベッドから出られない、どうしても二度寝してしまう、という人は、カーテンを開けっぱなしにして寝てください。もしくは、アラームで一度起きたらカーテンを開け、部屋の電気をつけてから二度寝してください。そうすれば、二度寝している間に体は光を浴び、勝手にメラトニンが減っていくのですぐに目が覚めます(笑)
メラトニンを調整しないと体内時計がずれる
このメラトニンを減らす作業をしないと、「朝目が覚めない」以外にも、もう一つ重大な悪影響があります。それは、「体内時計が毎日1時間ずつずれていく」ということです。
実は、人間の体内時計は、24時間ではなく「25時間」単位で刻まれています。これを24時間に調整するのがメラトニンの役割です。
もしメラトニンをコントロールできず、体内時計を調整できないでいると、人間の活動時間は毎日一時間ずつ後ろにずれていきます。実験によると、実際に日光が遮断された洞窟や地下室で生活すると、人間は約25時間の周期で生活を送るようになることがわかっています。
そうなると大変です。学校があるから毎日朝7時には起きないといけないのに、体内時計がくるっているので体は8時に起きようとします。当然無理やり7時に起こされれば体のコンディションは学校や勉強どころではなくなります。
そして体内時計のリズムは一旦ずれるとなかなか元に戻せません。なぜなら、一度ずれた体内時計を元に戻すということは、元々24時間より1時間多く刻んでいる体内時計を、元に戻すために24時間より一時間短い23時間で刻ませる必要があるからです。これは至難の業ですから、体内時計は一旦崩れるとなかなか元に戻しずらいのです。
「体内時計の調整」は、起床後4時間以内であれば24時間に調整されます。ですから、遅くても起床から4時間以内には、日の光をしっかり浴びるようにしましょう。