英文解釈の音読

KKKK投稿 2022/5/8 21:57

undefined 文系 岐阜県

早稲田大学法学部志望

最近少しずつ音読をやり始めたのですが、どうしても全てやろうとすると億劫になってしまい、やったりやらなかったりバラバラです。

そもそも英文解釈に音読は必要なのでしょうか?
(音読をしなくても習得出来ますか?)

また、もし必要であれば解釈の参考書は入門70を使っているので、音読は例題だけでいいのかそれとも演習の方もやるべきなのか。
また、その際の音読のやり方も教えてください。

回答

tona投稿 2022/5/9 09:05

慶應義塾大学法学部

 こんにちは、tonaです。音読は色々な方が質問に答えているはずなので、そういったものも参考にして、良いと思ったところを合体させて上手く生かしてください。多くの方で共通している内容などがあるはずです。

 さてご質問にお答えしますと、英文解釈に音読は不要です。なくても学ぶことはできます。そもそも勘違いしてほしくないのは、音読は英語を学ぶための有効な手段であって、問題に対しての直接的な解決方法ではない、ということです。つまり、音読という項目が英語問題に存在しない一方で、解釈は英語問題の1要素として確実に存在しています。なので、音読はあくまで英語理解を助ける有効な手段でしかなく、中途半端にやると逆に英語学習の邪魔となります。

 とはいえ、めちゃくちゃ有効ではあるので、私なりのやり方は説明します。

 ここから、音読の意義、方法、注意点、について書きます。その上で、ご質問にお答えいたします。だいぶ長くなりますが、ぜひお付き合いください。

 まず、意義ですが私的にはいくつかあって、
①長文の読解力(特にスピード)
②リスニングの力がつく
③使えるフレーズが増え、ライティング力が上がる
④スピーキングが上手くなる
の4つ(4技能)がレベルアップする、という感じで基本的には良い勉強法です。

 少し具体的に説明します。
 ①はよく言われることですが、かたまりを意識していると、前から読み進めることが可能であり、読むスピードも上がります。
 ②は当然のことだと思いますが、正しい発音を完璧に再現できなくても、音として知っていればリスニングはできることになりますよね。
 ③は意味のかたまりとして、文を暗記することが結果としてライティングで英文を書くときに使えたりします。しかも、正しい英語の使い方をまるっと学ぶことができるので、とてもお得です。
 ④はスピーキング力です。ある言語を早く話せるようになる人、というのは耳がいい人、などと良く言われます。この理由は、耳が良い人は正しい発音やイントネーションを理解し、再現できる人だからです。そういった意味で、話す力もつきます。

 次に、英語音読の良いやり方です。
①わからない単語の意味や発音を調べる
②意味のかたまりごとに前から理解し、戻ったりはしない
③正しい発音を意識して、一文ずつ音読する(シャドーイングでもオーバーラッピングでも良いですが、音はあった方がいいです)
④全体を繰り返し音読する

 このうち②が1番大切です。長文を読む時、意味が分からず、目が行ったり来たりすることがあると思います。これは、母国語としての英語話者には本来は起こり得ないことです(日本語を想像したらわかると思います)。彼らは前から文を読んでいくのです。この時大切なのが、ある程度の意味のかたまりを意識して読むことです。これをやっているから、前から読んでも戻らずに進んでいけるのです。これは、元の音声をそのまま真似ることで、母語話者がどこを意味のかたまりと考えているか分かります。なので、読む時はシャドーイング・オーバーラッピングに関わらず、母語話者が話している英語を聞いて真似をしながら、かたまりを意識してください。やり方はどちらでも良いですが、正しい音やイントネーションの再現が求められます。

 続けて注意点です。
 やり方でもある程度書きましたが、
①間違った発音で覚えてしまう可能性がある
②読むことが目的になりがち
③中途半端にやらない
という3点かと思います。

 ①は先ほども書いたので飛ばします。
 ②は音読実践者によくあることですが、英語を読んでいると、なぜか英語ができるようになった気分になり、英語のかたまりなどが意識されなくなります。自分に酔ってしまうくらい、発音が上手くなるのはとても理想的なのですが、ある程度他も意識しないともったいない
です。なので、そういった意味での注意点です。
 ③が1番大切です。中途半端にやると、長文読解などで弊害が出ます。中途半端な人は、英文を読んでいると頭の中で音読だけして意味が入ってこない、なんてことが起こります。これでは音読やる意味がありません。なので繰り返しですが「意味のかたまりを意識する」ということが大切です。

 それでは、ここから答えられなかった質問や気になる点について少し書きます。

 「入門英文解釈の技術70」はCDがついているので、それを使った音読が有効です。なので、やるつもりならば、文章は全てについてはやるべきでしょう。

 あとは、読み方についてですが、長文と短文(文法例文)でも変わりません。なので、解釈だから音読する意味があるとか、長文だから音読する意味がある、ということはないです。英語理解のためにやる意味はある、ということです。そして、大事なのはある程度の意味のかたまりを掴んでいることが大切なのです。長ければ切れ目がたくさんあり、短ければ一息で言い切れる。そんなイメージです。

 そして、少し関係ないことですが、英語の長文読解の最終形態は音読ではありません。音読で基礎を身に付けますが、最終的には意味のかたまりを目で見て直接脳が理解する(上手く説明できませんが)状態になります。日本語で試すとすぐできるようになると思いますが、発生してる時間よりも意味のかたまりでどんどん目で追っていく方が早く読めます。母語話者はこういったことができる、ということですね。ただ、ここまで受験生に求められているのかは正直分かりません。大抵の大学の英語はここまでの力がなくても突破できるとは思いますので、まずは意味のかたまりを意識して音読を突き詰めてください。

 ここまで読んでいただきありがとうございました。色々と書いていたらとても長くなってしまい、すみませんでした。
 この回答がKKKKさんの今後の勉強の一助となれば幸いです。受験に成功されること心より祈っております。何か他に質問があればぜひコメントにお書きください。

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