過去問のベストなやり方

こころん投稿 2020/8/20 23:57

高3 文系 埼玉県

慶應義塾大学志望

赤本など、過去問を解くにあたって効果的な方法が知りたいです。

回答

ネギタコ焼き投稿 2020/8/23 14:04

慶應義塾大学文学部

こんにちは!日々の勉強おつかれさまです。
慶應義塾大学文学部のネギタコ焼きと申します。
よろしくお願いします。

今回は、過去問の効果的な使い方について、ぼくの経験を踏まえながら書いていきたいと思います。少々長くなりましたがご容赦ください。

ぼくは、過去問を以下の4つの用途に分けて使っていました。
①志望校傾向分析用
②演習・実戦力養成用
③分野別対策・苦手分野攻略用
④緊急時対応訓練用
これからそれぞれについて詳しく説明していきます。

①志望校傾向分析用
・これは、過去問に取り組む最も重要な目的である志望校の傾向を分析する用です。過去問と聞いて、真っ先にイメージするのがこちらの用途だと思います。
・素材は、自分の志望校の過去問3〜5年分です。すなわち、毎年度発刊されている赤本や青本に収録されている問題ということです。
・ここで最も大切なことは、志望校の問題傾向を把握し、時間配分や問題の解く順序、問題を解くプロセス・頭の使い方を頭に染み込ませることです。
・3〜5年分と言ったのは、上記のことをしっかりやってほしいから。漫然と10年分やるのは効果が薄いです。過去問はたくさん解けば良いというものではないことに注意。
・特に、難関大学は大学及び学部により大きく問題の傾向が異なるので、過去問を利用して、傾向を分析し、戦略を立てることは必要不可欠です。
・ぼくは、早慶志望だったのですが、受験する早慶の学部の過去問は第1志望は5年分、第2志望以降は3年分をすべて3周し、問題を解き方を身体に染み込ませました。早慶は答えよりも、答えに至るプロセスが大切なので。
・また、時間配分や解く順序も自分に合ったものを探し、当日の戦略を立てたり、間違えた問題や解答根拠が曖昧だった問題を復習したりしていました。
・過去問題集は、解説が丁寧なものを使いましょう。赤本しかない学部は仕方ないですが、そうではないなら、青本を使うべきです。
・ぼくのおすすめは、角川から出ている通称黄色本。収録年数は3年と少ないですが、解説がとても丁寧です。
・話は外れますが、早慶の入試を受けるにあたり、心に留めていただきたいことがあります。それは、難問や奇問は深追いしないということ。
・難問や奇問の基準(これはぼく独自の基準ですが)は、(1)いままで学習した教材では対応できないもの (2)全体で7〜8割になるようにするには、どの問題を取るべきかを考えたとき、「これは本番厳しいかな」と思うもの です。
・こうした問題は、復習したところで本番に役立つ可能性は低いですし、できなかったとしても合格できます。なので、難問や奇問を深追いするのは得策ではありません。それよりも取るべき問題や自分が取れそうな問題を取れるようにすることに注力すべきです。
・ちなみに、これはその年によって異なりますが、通常は早稲田は全科目7〜8割、上智は全科目6.5〜7.5割、慶應も英語と地歴で7〜8割をとって、無難な小論文が書ければ受かります。つまり、取れる問題・取るべき問題を確実に取れれば合格ということです。

②演習・実戦力養成用
・これは、自分の志望校のレベルの問題に慣れ、実戦力をつけるためのものです。
・素材は、例えば早慶志望なら、自分の受ける予定がない早慶の学部の過去問です。
・学部関係なく問題を解くことで、様々な形式の問題に触れることができるので、実戦力がつけられますし、そのレベルの問題に慣れることができるメリットもあります。
・ぼくは、英語と世界史で学部関係なく早慶の学部の問題をたくさん解きました。その効果は絶大で、自分の受ける早慶の学部でも安定して得点できるようになりました。おすすめです!
・過去問は、学校や予備校の赤本を借りたり、東進の過去問データベースを使ったりして入手するといいと思います。
・演習で大切なのは復習です。例えば、世界史でアメリカ独立革命の問題を間違えたとします。
・これをただ間違えた部分を確認するだけで済ますのではなく、自分が使っているプリントなりテキスト・参考書なりのアメリカ独立革命とその周辺の章をもう一度復習しましょう。
・これをやることで、知識がより定着しますし、「早稲田の場合はここも覚えなければいけないのか」と演習したときの感覚が残った状態で復習できるので、次の演習につながります。
・日本史や世界史の場合、様々な学部の問題を解くと、幅広い単元の問題に触れられるので、総復習にもなります。
・英語や国語に関しても、知識系の問題は自分の使っている教材をもう一度復習するとよいです。より知識が盤石になります。
・また、英語や国語の読解系の問題は、どこを根拠にどのようなプロセスで答えに至ったがという視点を持って復習しましょう。
・まとめると、演習においては次につながる復習をすることが大切なのです。

③分野別対策・苦手分野攻略用
・これは、主に難関大学に見られるその大学・学部特有の問題をピンポイントで対策する用です。
・例えば早慶ですと、慶應法の英語の発音・アクセントや語義定義、慶應商の語形変化、早稲田文・文化構想の英語のセンテンスの空欄補充、早稲田政経、法、国教,慶應経済の英語の英作文、早稲田文化構想、社学の現古融合問題などです。
・具体的に例を挙げると、慶應法学部の英語の発音・アクセントが苦手だったとします。
・その場合、慶應法の過去15年分程遡って、発音・アクセントの設問のみ解きます。数をこなしているとコツが掴めてくるので、ピンポイントで苦手分野の克服できます。
・このように、自分の苦手な設問のみを過去の問題まで遡って解くことで、ピンポイントで対策するのはオススメです。

④緊急時対応訓練用
・これは、試験当日のハプニングに対応するための訓練用です。
・入試にはある一定の傾向が見られますが、自分が受験する年にその傾向通りの問題が出題されるとは限りません。大きく傾向が変化したり、傾向が変化しなくても自分の苦手な分野や苦手な形式の問題が出てしまったりする可能性がないとは言えません。
・こうなったとき、「傾向が変わった、どうしよう…」「いやこの形式が出てしまった…」と慌ててはいけません。冷静に受け止め、合格点を取るために最善を尽くさなければ、試験までの努力は水の泡です。
・ハプニングが起きたとき、少しでも有利に対応できるようにするためには、そういった事態を想定して、予め準備をしておく必要があります。要は、災害に備えた避難訓練のようなことをしておけば良いのです。
・その有効な手段が自分の苦手な形式の問題が出題される学部の問題や難易度の高い学部の問題を解くことです。
・ぼくの場合、上智の問題がとても苦手だったので、1月末に自分の受験科目(英語・国語・世界史)を通しで2年分やりました。
・正直とても嫌でしたが、やった甲斐があって、「上智の問題がある程度取れるようにしたのだから、いつも通りやれば大丈夫!」という自信がつき、どの試験も落ち着いて取り組むことができ、その結果、晴れて早慶両方に合格することができました。

以上です。長文失礼しました。まだまだ暑い日が続きますが、適度に休みながら頑張ってください!

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