Q3.「政治学」しか勉強できないの?
そんなことはありません。
「政治学科」と聞くと、難しそうな法律や政治をみっちり勉強するような学科だと思われがちですが、実に多様な勉強をすることが出来ます。その意味では、慶應大学の中でも、最も幅広い勉強をしている学科だと思います。
というのも、前述の通り、世の中の物事を決める過程の中では、幅広い視点を持つことが求められます。社会のルールを作るためには、政治や法律だけでなく、歴史や政治哲学などの人文科目に加え、経済や自然科目を理解している必要があるでしょう。また、時には日本だけでなく、海外からの視点を通じて勉強する必要があるでしょう。
そうした狙いから、この学科では「狭く、深く」勉強するよりも「浅く、広く」勉強することを大切にしているように思われます。実際に、大学の説明によれば「総合的な知識と幅広い視野を持つジェネラリスト」の養成を目指しているようです。
なので、高校の段階で「将来は弁護士になりたい!」という具体的な夢や、「得意な数学を活かして経済学を勉強してみたい!」という希望を持つよりは、「国内外問わず、何となく幅広く世界を理解してみたい」という思いを持っている方に向いている学科なのではないかと思います。特に「現時点では目標が定かではないが、将来の選択肢を少しでも広げておきたい」と考えている方には非常にオススメの学科です。
実際、幅広い勉強が出来るため、将来の進路先に関しても学生によって様々です。官僚や公務員、弁護士や公認会計士等のスペシャリストなる人もいれば、銀行、商社、メーカー等の民間企業に就職する人も多いです。個人的な話では、女子アナになった友人もいれば、海外の大学院に進学する友人などもいるため、多方面の色々な話を聞くことができ、非常に刺激的かつ豊かな環境にいることを実感します。
Q4. 政治学科が留学しやすい学科って本当?
本当です。正確には、「留学をする上での障害となる要素が少ない」と言えます。
大学では「必修」と呼ばれる科目の単位を取らなければならなかったり、「単位の取得数」が学年ごとに決まっていたり、一年間の留学を行う上で越えなければならないハードルがいくつかあります。政治学科はその点において、他学部、他学科と比べて取得しなければならない「必修科目」や「学年ごとの取得単位数」が比較的緩やかに設定されています。
そのため、大学の勉強や制度の面で、留学しやすい環境が整っています。事実、慶應大学の中で最も留学を経験する学生の数が多い学部学科が法学部政治学科ですし、勉強できる外国語の数も多く、4年間で外国語を使いこなせるようになる集中コースも政治学科にあります。
私も、入学するまでは基本的に人生のほとんどを日本で過ごしてきましたが、政治学科の英語集中コースに学び、一年間の留学を経験することが出来ました。実体験として、他学科と比較して、留学しやすい学科だと自信を持って言えます。
また、これは余談ですが、一年間に取得できる単位数の数も非常に多いため、早い段階で卒業条件を満たす学生も数多く存在します。大学1、2年次に勉強をしっかり頑張り、大学3、4年からは就職活動に専念したり、自由に遊び呆けたりする学生も多いようです。