「内部進学や指定校推薦は就職に不利なのでしょうか。」
「文学部より経済学部の方が就職に有利なのでしょうか。」

就活コラム1

最近こうした質問を数多く受けるのですが、おそらく高校生の頃から「就職活動とは何か」を正しく捉えている人はほとんどいないと思います。実際、私自身も自分が就職活動を行うまで「就職活動とは何か」を理解していませんでした。
そこで今回のコラムでは、「就職活動の知られざる一面」と「就職に有利、不利とはどういうことか」をご説明します。

「就職活動」と呼ぶのは半分正解で半分間違い

就職活動とは、「企業(組織)」と「学生(個人)」のマッチングに必要な一連の活動を、学生(個人)の側から捉えたものです。反対に、この両者のマッチングに必要な一連の活動を企業(個人)の側から捉えると、採用活動と呼びます。

これを高校の部活動で例えると
・生徒(個人)が部活(組織)を選ぶ行為=就職活動
・部活動(組織)が生徒(個人)を選ぶ行為=採用活動
ということです。

こうした両面はあまり意識されることが少ないのですが、
実は「就職活動」を正しく捉えるには、もう一方の側面である「採用活動」を正しく捉えることが大切になってきます。

就職活動のもう1つの姿?採用活動とは誰が何のために行うのか?

採用活動は、組織が組織の未来を一緒に創る仲間(ヒト)を集めるために行います。

学校の授業で習う人もいると思いますが
組織が継続して活動を行っていくためには、大きく分けると
ヒト・モノ・カネ・IT(情報)の4つの経営資源が必要だと一般的に言われています。

企業(組織)にとって、これら4つの資源は全て大切なものですが、最も大切なものを1つ選ぶとしたら、「ヒト」であることは間違いないでしょう。

例えば、毎年甲子園に出場する某高校の名門野球部(組織)において、素晴らしい練習環境や設備(=モノ)を準備するだけの潤沢な予算(=カネ)や過去の大会データ(=情報)が十分に揃っていたとしても、ある年から新入部員(=ヒト)が一人も入ってこなければ、3年後に野球部が甲子園出場することはできませんよね。

つまり、部活動(組織)が存続し続けるためには、まず選手(=ヒト)が集まらないと話にならないのです。そしてどんなに名門の野球部でも、初めから名門ということはありません。優秀な監督や選手(=ヒト)の活躍が評価されることで、潤沢な予算(=カネ)がついて練習環境(=モノ)も整備されるようになる、というパターンが一般的だと思います。

以上のことを言い換えると、そもそも企業(組織)とはヒト(個人)の集合体であり、優秀なヒトさえいれば、モノやカネを生み出すことができる、ということです。

故に企業(組織)が存続していくためにも、優秀なヒトを確保することは最も大切な行為であり、この為の一連の活動を「採用活動」(学生からみた「就職活動」)と呼びます。

就職活動に有利、不利とは

以上のことを踏まえると、就職活動における有利、不利とは、
採用活動において、企業(組織)が「あなたと一緒に未来を創っていきたい!」と思いやすいかどうか、ということです。

それでは、企業はどういう学生に対して「一緒に働きたい!」と感じるのか。

当たり前と言えば当たり前ですが、その答えは企業によって異なります。

例えば名門野球部に「私、水泳が得意なんです!」と言っても、入部させてもらえないですよね。笑

よく「大手企業に就職するために有利な学部ってどこですか?」といった質問を受けるのですが
そもそも「大手企業」という企業は存在しません。銀行、商社、メーカー、広告、等々、組織によって行っている活動は様々ですから、その活動に合わせて求めるヒトも異なります。

故に、「大手企業に就職しやすい学部」と一概に捉えることはできません。
・まず、世の中には「どんな企業が存在しているのか」を知ること
・そして、それぞれの企業が「誰に対して何をしているのか」を知ること
そこまで知ってようやく、自分が進みたいと思う学部は、自分が希望する会社に就職する上で有利か不利か、ということは言えるのです。

今回のコラムは、この辺りで一区切りさせていただきます^^
就職関連のコラムは、「現役早稲田生が告白!就職活動で有利な学部、不利な学部の違いはここだ!」などもありますので、ぜひご覧ください。