受験科目が増えることはリスクなのか

「受験科目が1科目増えることによって成績が伸びず、そのせいで受験に失敗するリスク」と「受験できる学部の数が倍になるメリット」の天秤であるならば、もし受験科目を増やしても成績の伸びが変わらないとしたとき、併願受験にはメリットしか残りません。

私は、受験科目が1科目増えたぐらいでは大した影響はないと考えています。

もし、受験科目がもともと4科目だったらどうでしょうか。恐らく、4科目でもしっかりと受験日に間に合うよう、みんなが勉強し始める流れや仕組みが出来上がっているはずです。

今、ほとんどの受験生が高校3年生から勉強に集中しだすとしたら、受験科目が4科目の場合はそのスタートが2年生の後半になっているかもしれません。

あるいは、塾や予備校の時間が毎日30分ずつ長くなっているかもしれません。

例えそういう環境だったとしても、同じように「4科目で単願にすべきか、5科目で併願にすべきか」という悩みが存在しているはずです。

逆に、受験科目がもともと2科目だったらどうでしょうか。恐らく、受験生は今ほど真剣に受験勉強に取り組んでいないでしょうし、高3の夏休みが終わったころから悠々自適に勉強を始める人も多くなってくるかもしれません。

それでも、そこには「2科目で単願にすべきか、3科目で併願にすべきか」という疑問が必ず発生します。

つまり、「普通は3科目」だと思い込むから不安になるのです。人間本来の持つ時間や脳力的には4科目でも十分対応できるというのに、です。

偏差値というのは、結局周りと比べたときに自分の脳力がどの位置にあるか、という指標なので「普通」や「周り」と比べていたらその範囲でしか成績は上下しません。

偏差値が上位に位置する人間は、周りと比べて自分はどれぐらい頑張っている、という考え方はしていない人が多いと思います。

例えば、受験戦争の激しい韓国では、高2で「8時登校22時帰宅」、高3で「7時半登校23時帰宅」が当たり前になり、そのあとさらに「課外」と呼ばれる予備校に通い深夜に帰宅する学生、また図書館に毛布を持ち込んで泊まり込みで勉強、昼間は学校に行き、週末のみ洗濯のために自宅に帰る学生もいるそうです。

そんな環境の中では、3科目か4科目かなど些細な悩みでしかないように思えます。常識にとらわれないことが大事だということです。

そう考えると、受験科目が1科目増えることに不安になる必要は全くなく、それよりはいつまでも携帯を触ることをやめられないことや、朝どうしてもベッドから抜け出せないことに不安を感じることで、成績は伸びていくのではないでしょうか。